気管支喘息

気管支喘息とは

気管支喘息とは

気管支喘息は、気道(特に気管支)に慢性的な炎症が起こり、気道が狭まって呼吸が困難になる状態を指します。この疾患によって「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と聞こえる呼吸音(喘鳴)が現れるほか、一度咳が出始めると止めるのが難しく、適切な治療が必要となります。原因は、小児の場合はほとんどが花粉(スギ、ブタクサなど)、ダニ、ハウスダスト、特定の食物などのアレルゲンに対するアレルギー反応によるものです。成人になると、風邪やたばこ、運動やストレスなどアレルギー反応以外の原因で発症することがあります。

治療について

治療は大きく2つに分かれます。喘息発作が起きている場合の治療(リリーバー)としては、吸入ステロイド薬、去痰剤、気管支拡張薬などが用いられます。また、気管支の慢性的な炎症を抑える治療(コントローラー)としても、吸入ステロイド薬が使われるほか、ロイコトリエン拮抗薬、抗アレルギー薬なども行われます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS:sleep apnea syndrome)とは、睡眠中に何らかの原因によって呼吸が停止する状態です。
SASの主な原因としては2つのものが指摘されています。一つめは、睡眠中に気道が閉塞されることで発症する閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)です。もうひとつは、脳梗塞や心不全などの疾患による中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)です。
SAS患者の90%以上が治療対象となる閉塞性睡眠時無呼吸症候群です。
症状としては、いびき(OSASの場合)がうるさいことや夜中に息苦しくなり目が覚める(中途覚醒)、起床時の頭痛、日中の眠気、集中力の低下などがあります。無治療のままで放置すると、高血圧や脳血管障害(脳梗塞など)、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などのリスクが上昇するため注意が必要です。

検査について

問診や診察で閉塞性睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、簡易睡眠検査を行います。睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度を測定する装置を就寝前に自宅で装着すれば、起床時には検査が終了します。詳細な検査が必要な場合は、医療機関で一泊入院し、ポリソムノグラフィ(PSG)を行います。

治療について

OSASを疑われ簡易睡眠検査で軽症と判定された場合は、オリジナルのマウスピースを就寝時に装着するマウスピース療法が行われます。
中等症以上の患者では、CPAP(持続陽圧呼吸法)による治療が必要となります。CPAPは、鼻マスクを装着し、圧が加わった空気を鼻から送り込むことで、睡眠中の気道閉塞が解消されるようになります。
また、原因が肥満であれば減量や生活習慣の見直し、扁桃腺の肥大であれば手術による摘出などの治療も検討されます。症状の重症度や原因に応じて、適切な治療方法を選択します。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPDとは

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、喫煙や大気中の化学物質など有害物質の吸入によって気管支や肺胞が損傷を受け、正常な呼吸ができなくなる病態を指しますが、喫煙が主な原因です。
COPDの主な症状には、しつこい咳や痰、労作時の息切れなどですが、病状が進行すると、安静時でも息切れが起こります。

治療について

まずは禁煙が必要です。その後に気管支拡張薬や吸入ステロイド薬、去痰薬などの薬物療法を導入します。

気管支拡張症

気管支拡張症とは

気管支拡張症とは、気管支が何らかの原因で拡張したまま元に戻らない状態を指します。
主な症状には、長引く咳や色のついた痰などが含まれます。さらに、呼吸困難や息切れ、血痰などの症状が現れることがあります。肺炎を引き起こしたり副鼻腔炎などの合併症を生じることがあります。